FC、SFC、PS等ゲーム機で世界を席巻した日本であるが、ことe-sportsに関しては完全に後進国である。
一番の大きな原因として考えられるのは、e-sportsの採用タイトルして海外産タイトルがほとんどで、
e-sportsの主要ジャンルであるFPSやRTSが流行らないという日本独特の市場というのが考えられる。
周りに海外ゲームを進めた際に敬遠される理由が「英語だから分からない」と「グラフィックが気に入らない」というのは
よく聞く理由のツートップではないだろうか。
言語が壁になるというのであればe-sportsが盛んな中国や韓国はどうなるんだという話になるが、
日本は対人戦を好まず、向こうは対人戦を好むといった嗜好の違いが挙げられるだろう。
このような状況で、企業から見ても協賛してメリットが出る規模の大会がない→大きい賞金の出る大会が打てない→競技人口が増えないという悪いスパイラルに入っているように思える。
実際海外の大会では国内企業であるiiyamayaやらEIZOやら、果ては中国の大会でお菓子メーカーのコイケヤがスポンサーなんてのも見たことがある。
今後はこのスパイラルをどのように良い方向へ持っていくかが課題になるが、その一つとしてカリスマ性を持ったスタープレイヤーを育てるというのは
正しい方法の一つであろう。

 

ちょっと前の記事だが、
DetonatioNの「LoL」チーム「FocusMe」がプロとして活動を開始
http://www.4gamer.net/games/073/G007372/20150122117/

これなんかはスターター及びリザーブ選手への毎月給料の支払いが行われるという。
どういうキャッシュフローなのかは分からないが、考えられるのは大会での獲得賞金と
スポンサー企業からのスポンサー料といった所だろうが金額も気になる所だ。
どっかの記事で読んだのは大学の初任給あたりではないだろうかとのことだが、果たして・・・。

じゃあ大会の賞金はというとちょっと調べて見たところDota2のThe International 4という大会はなんと$10,930,698(現レートで約13億円)にもなったという。
ソース:
http://wiki.teamliquid.net/dota2/The_International/2014
にわか信じがたい額だが、なんでもゲーム内の課金アイテムから何%かがこの大会への賞金へプールされる仕組みなんだとか。
ちなみに上記サイトによると、この大会への出場チームに日本の姿はない。

さて、このような寒い状況が続く国内e-sports状況ではあるが、少しづつ変化も起き始めている。
先の月給制プロチームもそうだが、ついにこんなものまで現れた。

前代未聞,「プロゲーマーになるための専門学校」が開校
http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20150217002/
この記事に読むと単にプロゲーマーを育てるというだけでなく、いくつか専攻があるようだ。
まぁ、

e-Sportsイベント&テクニカルスタッフ専攻:e-Sportsの大会やイベントを運営するプロデューサーやディレクターを目指し,イベントの企画運営に関する基礎知識を学ぶ

この辺りは分からんでもないが、

e-Sports総合プロゲーマー専攻:世界で通用するプロゲーマーおよびプロゲームチームのマネージャーを目指す。FPSやRTS,格闘ゲームなど,さまざまなタイトルで,プロ意識や戦略,戦術を学ぶ

こういうのはわざわざ学校行ってまで習うようなことなんだろうか・・・。
やることなんて情報仕入れて実践して改善するってサイクルを繰り返すしかないと思う。
有名タイトルであればネットに腐るほど情報は氾濫してるし、有名プロなんかはそのスーパープレイを配信してるし、やろうと思えば自分だけで色々出来そうな気もするんだが。
ゲスな話、例えば300万とか400万かけて学校行って、よしんばプロ(自称でも)になれましたとしてその学校にかかった費用を回収できるプレイヤーが一体何人輩出されるだろうか。
なんか悪い大人がe-Sportsがちょっと流行ってきたからこれをエサに無垢な若者を食い物にしてやろうという見方しかできない。
先の月給制でもそう。
毎月定期的に収入があるというのは大いに結構。
若者が自分の好きなことでメシが食えるというのは誰がなんと言おうが最高だ。
代償として、10代、20代の貴重な貴重な時間をゲームに明け暮れることになる。
これは例えば他のプロスポーツでも同様であろう。
例えばボクシング。
4回戦、6回戦あたりでボクシングだけでメシが食えるハズもなく、何か別の収入手段(コンビニでバイトとか)を確保しつつ練習に明け暮れる。
極々一部はトップに上り詰め富と名声を得るが、他の多くは残念ながら20代後半あたりで引退、別の仕事に進み職場で「昔ボクシングやっててさー」みたいな流れになるのだろう。
このように若い時は何かに打ち込んで、自分が納得できた段階で止めて次のステップへ進むというのは全くアリだと思うし
対象がスポーツであれ音楽であれ俳優であれマンガ家であれ大いに結構だと思う。
が、個人的に「e-Sports」は10代、20代の若者の時間を費やすに値するかというとNOだ。
なんでかというとボクシングは10年後20年後でも細いルール変更はあるにせよボクシングだが、e-Sportsはどうだろう。
今現在のe-Sports主要タイトルが10年後でもまだ残っているかと問われれば変わらず存在すると誰が言い切れる。
一番楽しいであろう10代、20代の時間を捧げたタイトルが10年後にはもう影も形も存在せず、誰かに「昔○○でプロゲーマーやっててさー」と話しても「え?なんスかそのゲーム」なんて言われたら悲しいだろう。このへんは価値観にもよるだろうが・・・。
例えばWikiよるとCounter-Strikeがリリースされたのが2000年だそうだ。
Counter-Strikeは今もCounter-Strike: Global Offensiveというタイトルでe-Sportsの主要タイトルとして君臨しているがゲームエンジンが変更になったりで大きく様変わりしている。
これはどのタイトルにも言えることだがリリース当時のまま稼働している訳ではなくアップデートやゲームバランス調整を繰り返し、タイトルは同じでも数年後には中身はもう別物なんてのはザラに起こる。
プロ競技にも関わらず、そのタイトルを作った開発会社のさじ加減ひとつでどうにでもなるというのもe-Sportsならではのデカいリスク要因ではないだろうか。

と、偉そうにダラダラ書いてみたが、要はゲームなんて楽しんでやるもんだし人生かけてやるもんじゃないんじゃない?ってこと。
仕事なんかにしちゃうと絶対キライになるってw
何か仕事しつつ、可能な範囲で打ち込む。セミプロ止まりのほうがいいよ。
それと大人が絡むのであれば、その若者の将来もちゃんと考えて関わってあげて欲しい。